出産の痛みが不安!という方は、分娩時の痛みを和らげる「無痛分娩」が気になりますよね。無痛分娩を扱う産院はまだまだ多くはないものの、選択する方は増えてきています。
2人目を妊娠。無痛分娩に興味があるけど……。
私の体験談から、特に2人目以降を出産する経産婦さんには、計画無痛分娩をおすすめします。
私は第2子を計画無痛分娩で出産したおかげで、出産時も慌てることなく、また産後も余裕を持って育児をすることができ、上の子への対応もスムーズになりました!
もし計画無痛分娩にしていなかったら、出産時も産後も余裕がなく、上の子に寂しい思いをさせたかもなぁ…と思います
この記事では、2人目以降を出産する経産婦さんに計画無痛分娩をおすすめする3つの理由と、私の計画無痛分娩体験レポートをお伝えします。
無痛分娩には2種類ある
無痛分娩には、自然な陣痛が起こってから麻酔を開始する通常の無痛分娩と、計画無痛分娩の2種類があります。
通常の無痛分娩
自然分娩の時と同じように、自然に陣痛や破水が起きるのを待ってから麻酔を打って出産時の痛みを和らげる方法です。
赤ちゃんが出てくるタイミングを待ちたい、なるべく陣痛促進剤を使いたくない、という方には向いています。
陣痛は週末や夜間、いつ始まるか分からないので、この方法で出産するには、24時間麻酔科医が対応している病院で出産する必要があります。
住んでいる大阪で調べたところ、24時間無痛分娩に対応している病院は多くないようです
24時間無痛分娩に対応している病院は多くないので、自宅から近い病院では対応できない可能性が高いです。
また、24時間無痛分娩に対応している病院で出産したとしても、お産の進みが早すぎて麻酔が間に合わなかったりと、麻酔投与のタイミングを逃す可能性もあります。
計画無痛分娩
計画無痛分娩では、あらかじめ分娩する日時を決めておいて、その日に陣痛促進剤を使って人工的に陣痛を起こし、麻酔を打って分娩時の痛みを和らげます。
現在、無痛分娩を扱っている産院のほとんどがこの計画無痛分娩を採用しています。妊娠37週以降の正産期に入れば、自分の都合や病院側(産科、麻酔科の先生の出勤スケジュールなど)の都合に合わせて出産予定日を決めることができます。
但し、お産は何が起きるかわかりません。計画分娩日より前に陣痛が来てしまう可能性もありますし、計画日に入院できたとしても陣痛促進剤が効かなかったり、何らかの問題が発生して緊急帝王切開になったりと予定通りにいかない場合もあります。
2人目出産で計画無痛分娩をおすすめする理由
特に2人目以降を出産する経産婦さんには、計画無痛分娩がおすすめなんです!
計画無痛分娩の利点は、①分娩日が予め決まっていること、②分娩時の痛みを軽減できること、この2つに尽きますが、これが経産婦にとって大きなメリットになります。
ここからは、経産婦さんに計画無痛分娩をおすすめする理由を、産前・出産時・産後の3つの観点から説明していきたいと思います!
スケジュールが立てやすい
2人目以降の出産と初めての出産との違いは、出産時に上の子をどうするか、という問題が発生することです。
出産が始まって入院になれば、上の子を夫や実家など誰かに預ける必要があります。
夫や家族が仕事をしていたりして忙しい場合、急な休みが取りにくい場合もありますよね。
その点、計画無痛分娩で出産日が決まっていれば、その日に合わせて家族に休みを取ってもらったり、上の子を確実に預ける手筈を整えることができます。
私の場合は、入院が4日だったので計画分娩日を金曜に設定。夫が金曜と月曜に会社を休んで4連休にしてもらいました!
急に陣痛が来て慌てる必要がない
普通分娩や通常の陣痛を待つ無痛分娩であれば、出産予定日前後になるといつ出産が始まるか分かりません。
特に日中ワンオペで育児をしているママは、幼稚園や保育園の送り迎え中、お外遊び中など、上の子と2人でいる時に陣痛が始まってしまう可能性もあります。
経産婦の場合、初産婦に比べてお産の進みが早いことも多いため、急に陣痛が始まった場合、最悪上の子の対応をしたり預けたりしている間にお産が進んで慌ててしまうことも。
その点、計画無痛分娩であれば、分娩日が決まっているので予定日前後に陣痛がいつ来るかにヒヤヒヤしながら過ごす必要もありません。
計画分娩でない場合は、夜に陣痛が来て不眠不休で出産して心身共にボロボロ、なんてこともあり得ますが、計画分娩の場合は分娩開始が日中に設定されているため、前日にきちんと睡眠と休養をとってから出産に挑むことができます。
但し、計画無痛分娩の場合でも計画日より先に陣痛が来てしまったり、陣痛促進剤が効かなかったり、計画どおりにいかない場合もあるよ
産後の2人育児のために無痛分娩で体力を温存
1人目の出産の場合、産後は自分の身体の回復と赤ちゃんのお世話に集中できますが、2人目以降の出産は退院して家に帰っても上の子が待っています。
夫や家族が上の子のお世話をしてくれる場合もありますが、上の子がまだ小さい場合は「ママがいい!」と要求してくることもあります。
赤ちゃんのことも大切ですが、なるべく上の子に寂しい思いをさせないように相手をしてあげたいですよね。
無痛分娩は、分娩時の痛みがやわらいでお産がスムーズに進みやすく、母体への疲労感が少ないため、産後の体の回復が比較的早いと言われています。
身体の回復がままならないうちに赤ちゃんと上の子のお世話を両方するのは大変なので、無痛分娩でなるべく体力を温存しておくのがおすすめです。
計画無痛分娩の注意点
ご紹介したように、経産婦にとってもメリットの多い計画無痛分娩ですが、もちろん注意すべき点もあります。
麻酔や陣痛促進剤による副作用やリスク
医師監修の記事によると、次のように記載されています。
麻酔を使用すると、次のような副作用が起こるとされています。
低血圧・足の力が入りにくくなる ・尿がだしにくい ・体のかゆみ・ 体温の上昇
また、まれではありますが、血管やくも膜下に誤って麻酔が注入されてしまい、神経麻痺や呼吸のトラブルなどを起こすリスクもあります。
こそだてハック
陣痛促進剤で人工的に陣痛を起こすことで、子宮が強く収縮しすぎてしまい、へその緒や胎児が圧迫されて胎児機能不全に陥ったり、子宮破裂が起きたりするリスクがわずかにあります。
こそだてハック
無痛分娩により痛みが軽減されるものの、分娩に伴ういくつかのリスクもあります。詳細については医師からよく説明を受け、疑問点や不安な点があれば十分に相談するようにしましょう。
追加費用がかかる
無痛分娩で麻酔を利用する場合は保険適用外となるため、通常の出産費用に加えて10万円前後の自己負担額が必要となります。
病院によって追加負担額には差がありますが、通常の出産費用と合わせると思っていたより高額となることも。
分娩費用以外にも入院費・個室料などを合計して、出産育児一時金の42万を差し引いて自己負担額が大体どれくらいになるのか、予めシュミレーションしておくと良いでしょう。
無痛分娩ができる産院が限られている
年々無痛分娩を希望する人は増えてきていますが、全ての病院で行える訳ではありません。
無痛分娩を実施している病院は人気があり、妊娠が判明してからすぐに予約を取っておかないと無痛分娩の枠が確保できないこともあります。
無痛分娩を実施している病院で妊娠判定をしてもらい、初診時に予約してしまうのがオススメです
早目に出産する産院をリサーチして決めておく必要があるね
普通分娩になる可能性がある
計画無痛分娩の予約ができたからといって、100%無痛で出産できるわけではありません。
計画分娩日よりも前に陣痛が来てしまった、お産の進みが早くて麻酔が間に合わなかった、逆に分娩が長引いて肝心なところで麻酔ができなかった、など様々な理由で無痛分娩ができず、普通分娩と同じ痛みで出産することもあり得ます。
私は分娩が長引いて最後に麻酔ができなかったパターンです…体験談は後述します
計画無痛分娩の予約をした人も、普通分娩で出産する心構えをしておいた方が良いと思います。
私は1人目を普通分娩で出産していますが、精神の安定と調和を図ることで出産の痛みを和らげるソフロロジーの呼吸法で乗り切りました!
私の計画無痛分娩体験レポート
結局、無痛分娩はどうだった?
結論から言うと、私の場合、分娩が予想外に長引いてしまったため、痛みのピークで麻酔が投与できず、最後は普通分娩と同じ痛みで出産しました。
1人目が普通分娩だったので、同じ痛みでした…
先に無痛分娩を経験した友人からは、「赤ちゃんが出てくる時もスマホをいじれるくらいの余裕がある」と聞いていたので、上手くいったかどうかは人によってそれぞれのようです。
計画無痛分娩当日レポ
私は予定日10日前、38週の金曜に計画分娩日を設定しました。当日の流れをレポートします
計画無痛分娩では、病院によっては前日に入院するパターンもあるようですが、私の出産した病院では、朝に入院して当日中に産まれる(ことが多い)というパターンでした。
今回は夫の立ち会いはなし。コロナ規制の影響で、上の子が病院に入ることができないので、夫と2人で家で待っていてもらうことにしました。
8:30 産院へ到着、LDRへ
朝8:30に病院に到着します。
妊婦健診の時と同じように、検尿・血圧測定などを行ってからLDRに案内されます。
私の出産した病院では、陣痛〜分娩〜回復まで同じ部屋(LDR)で行うので、陣痛時に分娩室まで移動する必要がありません
LDRに到着すると、無痛分娩の同意書など助産師さんに書類の提出をして、分娩着に着替えました。着替え時に産褥ショーツに履き替えるように言われます。
その後、お腹にNSTの機械を付けられ、赤ちゃんの様子を継続的にモニタリングします。
10:00 内診グリグリとバルーン挿入
助産師さんと世間話をしながら赤ちゃんの様子をモニタリングしていると、先生が登場。
おそらく子宮口が全く開いていなかったのだと思われますが、「内診しますよ〜」とグリグリグリ!!!
うおおおおお!!!
……これがめちゃめちゃ痛かったです。そしてバルーン挿入もその流れで行われたので結構痛かったです。バルーン挿入は痛くないという方もいるので、子宮口の開き具合や、先生の力加減によるのかも…
バルーンが入った後は、何かが挟まっている違和感がありますが特に痛くはないです。
11:00 硬膜外麻酔の準備
麻酔科の先生部隊(?)が登場して、背中に麻酔を入れるためのチューブを入れてくれます。横向きに寝て、背中をエビのように丸めるように言われます。
麻酔のチューブを入れるのが痛いのかな?と思っていましたが、ほとんど痛みは感じず、背中側で何が行われているのか見えないので全く分かりません。
麻酔の先生たちと和やかにお話しながら、あっという間にチューブが入りました
麻酔がうまく効けば、よく分からないうちにあっという間に産まれちゃうよ☆
無痛分娩すごいかも…(期待が高まる)
12:00 昼食、陣痛促進剤開始
昼食といっても、固形物は禁止されているので、持参したゼリー飲料をひとつ飲むだけ。
その後ものすごく体力を使うことになるので、朝ごはんをもっと食べて来ればよかった
そして少しづつ陣痛促進剤の投与が始まりました。
経産婦さんだったら、15時くらいには産まれることが多いよ
13:00 時々内診、陣痛と子宮口が開くのを待つ
陣痛促進剤の点滴を続けたまま、陣痛が来るのを待ちます。
少しづつ規則的なお腹の張りを感じるようになりますが、まだまだ生理痛より痛くない程度です。
時々、助産師さんが来て内診してくれます。
内診は相変わらず痛い…子宮口を広げているのかな?
痛みもまだ強くないので、スマホを見ながら横になって待ちます。
15:00 なかなか赤ちゃんが降りてこない
なかなか赤ちゃんが降りてきませんね
痛みも強まらないなぁ…15時くらいには産まれると思っていたのになー
どうやら、経産婦にしては予想外に進みが遅いとのことです。あぐらの姿勢で待つと良いよ、と言われ、あぐらで待ちます。
16:00 子宮口4センチで麻酔開始
やっと子宮口が4センチ開きました。麻酔を入れてもらいますか?
やっと子宮口が開いてきてバルーンが抜けました。
ただ、この時点で痛みは軽い生理痛程度。麻酔を入れてもらうか迷いましたが、
急に痛くなったら嫌だし…助産師さんがそう言うなら入れてもらおう
麻酔科の先生が登場して、初めて麻酔を入れてもらいます。
背中にスーッと冷水が通ったような感覚があり、10分後くらいに生理痛程度の痛みは消えました。
麻酔ってすごいな。このままいけばラクに産めるかも
この後しばらくしてトイレに行きますが、麻酔のせいで脚に力が入らなくて歩きにくく、便座からなかなか立ち上がることができませんでした……
17:00 痛みが強まり、再び麻酔を入れてもらう
痛みが徐々に強まってきた上に最初に入れてもらった麻酔が切れてきたのか、お腹の張りが強くなり呼吸が乱れるほど痛くなってきました。
そうそう、こんな痛みだったなぁ、と1人目を出産した時のことを思い出します。
麻酔を追加しますか?
ふぅ〜痛い……!是非お願いします!
その後、先生の都合で10分くらい待たされ、再び麻酔を入れてもらうと、10分後くらいに痛みが遠のいていきました。
18:00 子宮口7センチ、破水する
お産の進みが遅かったので、朝からお世話になった助産師さんは交替し、夜勤担当の助産師さんがやってきて内診してもらいました。
良い感じに赤ちゃんが降りてきていますよ!
その後すぐに「ジョバッ!!」と勢いよく水が出た感じがあり、破水したことが分かりました。
この時点でまた麻酔が切れたてきたのか、さっきよりもめちゃくちゃ痛くなってきていたので麻酔を追加してもらうことにしました。
(赤ちゃんの様子をモニタリングしながら)う〜ん、少し心拍数が乱れているから、麻酔の追加ができません
!!!!!!!!!
いよいよ本格的に痛くなってきた、というときにまさかの麻酔できません宣告。どうやらお産が予想外に長引いているのもあり、赤ちゃんの心拍数が乱れているそうです。
今からがまさに麻酔を入れてほしい時なのに…!と思いますが、赤ちゃんの安全が第一なので仕方ありません。
ここからは普通分娩で臨まなければ!と気合を入れ直し、練習しておいたソフロロジーの呼吸でひたすら痛み逃しをします。
呼吸が乱れて、酸素マスクのようなものを付けられます。
19:00 いよいよ子宮口全開、いきみOK
このあたりはもはや痛すぎて記憶が曖昧ですが、ひたすら呼吸で痛み逃しをしていると子宮口が全開になったようです。
もう無痛分娩関係ないけど早く出てきて〜!!
気がつくとバタバタと分娩準備が始まり、先生がやってきました。
陣痛の波が来たら、思いっきりいきんでいいよ!
渾身の力を振り絞って、おそらく30分近くはいきみ続けたと思います。
赤ちゃんの頭が出てきたよ!
どうやら娘は身体が大きいようで、頭が出てきてからなかなか身体が出てこず、挟まっている状態に…
痛い!痛いです(泣)!!
この赤ちゃんが挟まっている状態、陣痛の痛みとはまた違って、物理的に大きい物体が挟まっている痛みで思わず先生に「痛い!」と訴えました。
ここまできたら早く出してしまいたい!と言う一心で、ここからまた必死の形相でいきみ続けると…..。
19:30頃 娘誕生!
「うんぎゃー!」という元気な産声とともに娘が出てきました!
やっと終わったぁ!!
お疲れ様でした!痛かったねー。無痛分娩でもこれくらい痛いこともあるんだよー
と先生は仰っていましたが、1人目を普通分娩で出産している私は、
最後全く麻酔効いてませんでしたよね……?普通分娩と同じでしたけど……
と思いましたが、娘が無事に産まれてくれたのでまぁいいや、と思ったのでした。
計画無痛分娩にしてよかった点は?
私の場合は陣痛のピークから産まれるまで麻酔が効かなかったわけですが、それでも、陣痛に耐える時間が大幅に縮小されたので、産後の体力の回復は早かったです。
1人目の普通分娩の時は、5〜6時間は激しい痛みに耐えていましたが、今回陣痛に耐えていたのは実質2時間くらいです。
1人目の普通分娩の時は筋肉痛になりましたが今回は大丈夫
退院したら、上の子の相手もしてあげなきゃなぁ…と思っていたので、無痛分娩によって体力の温存ができたので良かったと思っています。
あとは、分娩日があらかじめ決まっていたことにより、上の子や家族のスケジュールを立てやすかったことのメリットは大きかったです。
まとめ:2人目出産は計画無痛分娩の検討を
私は普通分娩と計画無痛分娩の両方を体験しましたが、特に2人目以降の出産は計画無痛分娩のメリットが大きいと感じました。
無痛分娩に関しては注意点やリスクもありますし、タイミングやお産の進み具合によっても異なり、全く痛みがなく出産できるとは限りません。
しかし、計画分娩によって上の子の対応や家族のスケジュールが立てやすくなるメリットがあり、無痛分娩によって出産後の体力の回復が早まることも多いようです。
「2人目の産後は余裕を持って育児をしたい」「上の子を優先してあげたい」「産後もワンオペ育児が待っている」という方は、ぜひ計画無痛分娩を選択肢に入れてみてください。
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